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JAPAN OIL STOCKPILE

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あと何日、日本は持つのか。日本の石油備蓄をリアルタイム可視化

週次の在庫

発電用LNGの在庫

資源エネルギー庁「発電用LNGの在庫状況」による、大手電力が発電のために持つ LNG(液化天然ガス)の在庫を週ごとに追跡。石油のような国の備蓄ではなく、使いながら補充していく在庫です。月末の過去平均・前年との比較、石油の備蓄との違い、LNG の基礎知識もまとめています。

CURRENT / 現況

発電用 LNG の在庫

運転在庫

大手電力が発電のために持っている LNG(液化天然ガス)の量です。国の備蓄ではなく、使いながら補充していく在庫です。

264万トン

2026年10月11日時点の週末在庫(2026年10月14日公表)

10月末の過去5年平均 210万トン

前年の10月末 187万トン

比較は月末の値(2021〜2025年の月末平均)。週の値とは時点が違います

どのくらいもつか: 電力・ガス会社の LNG の在庫は「日本全体の消費量の約三週間分」とされています(高市首相の国会答弁、2026年3月3日)。このページの在庫の値は大手電力の発電用だけで、都市ガス会社の在庫は含みません。

週末在庫の推移 / LNG WEEKLY STOCK

資源エネルギー庁「発電用LNGの在庫状況」の公表値(大手電力・万トン)

10/11:264万トン
発電用 LNG の週末在庫の推移(直近10週・単位は万トン)
週末在庫
2026年8月9日204
2026年8月16日230
2026年8月23日240
2026年8月30日234
2026年9月6日238
2026年9月13日250
2026年9月20日252
2026年9月27日240
2026年10月4日257
2026年10月11日264
週末在庫(週ごと)月末の過去5年平均(2021〜2025年)前年同月末

2026年10月11日時点 264万トン

2026年10月14日公表

10月末の過去5年平均(2021〜2025年) 210万トン・前年の10月末 187万トン(月末の値。週の値とは時点が違います)

COMPARE / 石油との違い

石油の「備蓄」と LNG の「在庫」は別のもの

項目石油LNG(このページ)
何の量か国・民間・産油国共同の備蓄(法律で持つ量)大手電力の運転在庫(使いながら補充する量)
目安202日分(2026年10月19日時点の公表値)約3週間分(電力・ガス会社。2026年3月の首相答弁)
表し方日数万トン(公表値のまま)
ホルムズ海峡を通る割合93.0%6.3%

数え方が違うため、同じ「日数」の物差しでは並べていません。ホルムズ海峡を通る割合は2025年の輸入量に占める割合です。LNG は通る割合が低くても、世界の LNG の取り合いを通じて価格や調達の影響を受けます。

WHY / しくみ

なぜ LNG は長く貯めておけないのか

LNG は天然ガスを −162℃ まで冷やして液体にしたものです。断熱したタンクでも外から入る熱で少しずつ気化するため、石油のように何か月分も貯めておくことに向きません。資源エネルギー庁も、LNG は「石油のように長期間タンクに置いた備蓄が困難」な性質だと説明しています(2023年12月1日)。欧米のようにガスのまま地下に貯める方法は、日本では需要地までのパイプラインを敷く必要があり、「膨大な時間と費用を要する」とされています(2022年11月10日の国会答弁)。基礎知識の Q5 で詳しく

いざというときの仕組み: 戦略的余剰 LNG(SBL)

経済安全保障推進法にもとづき、事業者がふだんより多めに LNG を確保しておく仕組みです。JERA が冬(12〜2月)に毎月1カーゴ(1隻分。2018年の例では約7万トン)を確保し、経済産業省の要請があれば国内に回します。確保した LNG の売買で損失が出たときなどは、JOGMEC の基金(2023年3月・2024年3月・2025年3月に交付された計716億円)から助成され、利益が出たときは、受けた助成の額を上限に基金に納めます。基礎知識の Q6 で詳しく

2023・2024年度の冬は確保の実績を確認。2025年度の冬は JERA の計画の発表まで確認しています。

補足: シェールガスとの関係

米国の天然ガス生産の約78%はシェール由来です(2023年)。ただし日本の LNG 輸入に占める米国産は6.9%(2025年)なので、シェールガスの動きだけでは日本の在庫の状況は分かりません。基礎知識の Q3 で詳しく

LNG_BASICS / 基礎知識

LNG の基礎知識

Q1. LNG って何?

LNG(液化天然ガス)は、メタンを主成分とする天然ガスを、マイナス162℃まで冷やして液体にしたものです。液体になると、体積は気体のときの600分の1になります。そのため、海外から船で運ぶときは LNG の形にします。

日本は天然ガスの98.0%を輸入していて、輸入分はすべて LNG です(2024年度)。使い道は、発電が54.8%、都市ガスが36.3%です(2024年度)。発電量の32.2%は LNG でつくられていて、日本でいちばん大きな電源です(2024年度)。

Q2. どこから来るの?

2025年に日本が輸入した LNG は約6,498万トンです。いちばん多いのはオーストラリア(39.7%)で、マレーシア(14.8%)、ロシア(8.9%)、米国(6.9%)と続きます。

石油と大きく違うのは、中東への依存です。中東からの輸入は、原油が94.0%なのに対して、LNG は10.8%です。ホルムズ海峡を通って来る分は、原油が93.0%、LNG は6.3%です(いずれも2025年)。

出典:

Q3. シェールガスと LNG は何が違う?

分け方の軸が違います。シェールガスは「どこから、どう採るか」による呼び名で、シェールという岩の層から採れる天然ガスのことです。LNG は「運ぶための状態」による呼び名です。シェールガスも、冷やして液体にすれば LNG になります。

米国では2000年代後半に、シェール層の天然ガスを採算に合うコストで掘れる技術が広まり、生産が大きく増えました(シェール革命)。2023年には、米国の天然ガス生産の約78%がシェール層からでした(米国エネルギー情報局の暫定値)。日本は2017年1月に、米国本土(ルイジアナ州)からの LNG の輸入を始めました。2025年には、日本の LNG 輸入の6.9%が米国産です。

日本に入るときは、どれも LNG として数えられます。シェールガスだけの在庫や輸入の統計は、公表されているものを確認できていません。そのためこのサイトでは、シェールガスを単独の数字としては出しません。

Q4. どのくらい貯めてあるの?

電力会社とガス会社が持っている LNG は400万トン程度です(2026年3月、資源エネルギー庁)。首相は国会で、電力・ガス会社の在庫を「日本全体の消費量の約三週間分相当」と説明しています(2026年3月)。発電や都市ガスのために使いながら補充していく、運転のための在庫です。

なお、同じ資源エネルギー庁の資料は、この400万トンが「ホルムズ海峡を経由するLNGの輸入量(約400万トン、日本のLNG輸入量全体の6%程度)の約1年分に相当する」とも説明しています。同じ「400万トン」でも、在庫の量と、海峡を通って来る1年分の量という、別のものを指しています。

石油には、国が持つ「国家備蓄」と、法律で石油会社などに義務づけた「民間備蓄」があり、産油国との共同備蓄も合わせて約8か月分ありました(2026年1月末で248日分。その後3月に備蓄の放出があり、3月22日時点の速報ベースの推計では238日分)。LNG については、日本エネルギー経済研究所が「消費国には、企業の操業在庫はあっても『備蓄』は存在していない」と書いています。そのためこのサイトでは、石油を「備蓄」、LNG を「在庫」と分けて表しています。

大手電力が発電のために持っている LNG は、毎週公表されています。2026年10月11日時点で264万トンで、過去5年の10月末の平均(210万トン)より多い水準です。この数字は週末の値で、比べている平均は月末の値です。都市ガス会社の在庫や、タンクの底に残って汲み上げられない分は含みません。

Q5. なんでもっと貯めないの?

国の資料や国会の答弁から読み取れる理由を、4つに整理しました(整理はこちらによるもの)。

  1. 長く置いておくのに向かない。 LNG は −162℃以下の液体で、管理していても日々蒸発すると、政府は国会で説明しています(2022年11月)。資源エネルギー庁も、LNG は「石油のように長期間タンクに置いた備蓄が困難」な性質だとしています(2023年12月)。その速さは、陸上のタンクで1日あたり0.1〜0.2%(重さで)程度とする解説があります(東京ガスの担当者による解説、JOGMEC『石油・天然ガスレビュー』2008年)。
  2. タンクの容量に限りがある。 全国45か所の LNG 基地で稼働しているタンクを合わせると、約2,025万キロリットルです。すべてを満タンにしたと仮定しても、日本の輸入量の約50日分です(こちらでの計算。理論上の上限)。実際の在庫(400万トン程度)は、その4〜5割にあたります(時点の違う数字どうしの概算)。
  3. 地下に貯めるには、時間と費用がかかる。 欧米では、枯渇ガス田などを使った大規模な地下貯蔵が行われています。産地・貯蔵場所・都市がパイプラインでつながっているからです。日本で同じ規模で行うには、貯蔵場所から大都市までのパイプラインの敷設や増強が必要になります。政府は2022年11月の国会で、「膨大な時間と費用を要すること」などから、「現時点では十分な量を貯蔵する見通しがなかなか立っていない」と答えています。同じ答弁では、新潟県で民間企業がガス田を使って一時的に貯蔵した例にも触れています。
  4. 国は、貯蔵より先に別の備えを進めている。 第7次エネルギー基本計画(2025年2月)は、日本を「地理的特性上ガス貯蔵が困難」としたうえで、有事には SBL(Q6)などで政府が主導して必要な量を確保するとしています。そうした措置には「多額の費用が見込まれる」ため、平時からタンク容量の増強などの貯蔵能力の強化も検討する、とも書いています。つまり「貯めない」と決めたわけではなく、貯める力を増やすことも検討されています。

計算の根拠: 満タン時の重さは、容量2,025万 kl × LNG の密度 0.42〜0.47 t/kl(組成で変わるため仮定)=約850万〜950万トン。2025年の輸入量6,498万トンを365日で割った1日約17.8万トンで割ると、約48〜53日分。タンクの底に残る汲み上げられない分も含む上限。

Q6. じゃあ、どうやって備えているの?

貯める代わりに、「流れを止めない」ことで備えています。

  • 継ぎ足しながら輸入し続ける。 政府は2022年11月の国会で、「大体二、三週間程度の在庫を持ちながら、継ぎ足し継ぎ足しLNGを輸入して需要を満たしていく」と説明しています。
  • 買う先を分ける。 オーストラリア、マレーシア、ロシア、米国などから買っていて、中東からは約1割です。政府は、LNG の中東依存度は「石油に比べて低く、地政学的リスクは相対的に低い」と評価しています。
  • 長期の契約で確保する。 政府は、LNG の長期契約の確保を進めるとしています。
  • 国の仕組み「戦略的余剰 LNG(SBL)」。 経済安全保障推進法にもとづき、JERA が冬(12〜2月)に毎月1カーゴ(1隻分)をふだんより多めに確保し、経済産業省から要請があれば国内に回します。売買で損失が出たときなどは、国が JOGMEC に置いた基金から助成されます(国が基金に積んだ額は累計716億円。使った額ではありません)。2023年度と2024年度の冬には、各月1カーゴが実際に確保されました。

1カーゴを2018年の例の約7万トンとすると、年間を平均した全国の輸入量の約0.4日分です。冬3か月の3カーゴを合わせても約1.2日分で、しかも一度にそろうわけではありません(どちらもこちらでの計算)。SBL は、タンクに貯めておく「備蓄」ではありません。穴を埋めるものではなく、他の方法で手当てするまでの時間を稼ぐための仕組みです。資源エネルギー庁も、「時間的な猶予を確保し、供給途絶を防ぐ」と説明しています。

Q7. それで大丈夫なの?

いまの在庫は、平年より多い水準です(毎週公表される大手電力の分)。大手電力の発電用の在庫は、2026年10月11日時点で過去5年の10月末の平均より多くなっています(Q4)。

ただし、輸入の流れが止まると弱い仕組みです。

  • 追加で買っても、届くまでには時間がかかります。 東京大学の大橋弘教授は2023年2月、国会に参考人として呼ばれた際に、パイプラインで届くガスと比べて、「LNGでは調達に二か月以上掛かることになります」と述べています。政府は、中東からの供給に支障が出た場合には、ほかの国からの供給やスポット市場からの調達を増やすとしています(2026年3月)。
  • 実際に足りなくなりかけたことがあります。 2021年1月の電力のひっ迫について、政府は「断続的な厳しい寒波による電力需要の大幅な増加、LNGの在庫の減少による火力発電の稼働抑制などの要因が重なったもの」と説明しています。
  • 産地や航路で止まることもあります。 2026年3月には、イランをめぐる情勢でホルムズ海峡が事実上ふさがれ(日本エネルギー経済研究所は「実質的封鎖」と表現)、3月2日にはカタールで LNG の生産が止まりました。カタールエナジーは不可抗力(契約どおりに供給できないことの宣言)を出し、その後の攻撃で設備の一部も損傷して、修繕には3〜5年かかる見込みとされています(2026年3月31日時点)。9月末の報道では、ホルムズ海峡が事実上封鎖されているとして、アジアの一部の買い手に向けた不可抗力を11月まで延長しています。日本はカタールからの輸入が5.3%(2025年)と少ないものの、日本エネルギー経済研究所は、海峡の封鎖で「原油以上に大きく反応しているのが LNG や石油製品である」と、価格への影響を指摘しています。

石油は「貯めて備える」、LNG は「流れで備える」。このサイトで LNG の在庫を毎週お知らせしているのは、その流れが今どうなっているかを、ふだんから見ておくためです。

SOURCES & REFERENCE / 出典・集計元

※ 在庫量は毎日自動で取り込み、公表 PDF に載る直近の週を足していきます(PDF には直近10週ほどしか載らないため、取り込みを始めた週より前の推移は出せません)。取得できなかった場合は最後に取得できた公表値のまま表示します。

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